札幌で記録的な大雪が降った。
積雪は105cm、交通は麻痺し、外出自粛が呼びかけられた。
それでもSNSの空気はどこか冷静で、「またか」という反応が多い。
この“慣れ”こそが、今回の大雪で最も危険なポイントだ。
北海道、特に札幌は雪に慣れた街だと言われる。
その認識が、「異常」を「想定内」に押し込めてきた。
記録更新という言葉が並んでも、危機感は共有されにくい。
雪害が風物詩として扱われた瞬間、
それは災害ではなく“自己責任イベント”になる。
出勤できるか、車を出すか、すべて個人判断に委ねられる構造だ。
「北海道だから仕方ない」という言葉は便利だ。
誰も責任を負わず、次の対策も先送りできる。
だがその間に、被害は確実に積み重なっていく。
一方でSNSでは、雪景色や癒やし写真が拡散される。
それ自体は悪くない。
しかし、困っている人の声がかき消されるなら、
それは現実から目を逸らす装置になる。
必要なのは除雪量の議論だけではない。
「慣れている=安全」という思い込みを壊すことだ。
異常を異常として扱う感覚を、取り戻す必要がある。
天気予報や警報を“いつものこと”で流さず、
一度立ち止まって自分の行動を見直してほしい。
それだけで、被害は確実に減らせる。

